災害時におけるICT活用についての緊急提言書
平成28年4月
森町防災ネット協議会
平成28年4月14日21時26分頃に、熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード6.5、最大震度7の『平成28年熊本地震』が発生しました。
その後、多くの余震の後、4月16日1時25分頃に、同じく熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.3、最大震度6強の本震が発生しました。
平成28年4月17日現在、余震の中、救助作業と復旧作業が進められています。同時に避難所への救援物資の運搬、ボランティアによる支援活動も開始されています。
この一連の動きの中で、今回の地震発生後の対応を森町に当てはめた場合に、緊急に対応しなければいけない課題があることに気付かされます。
今回の『熊本地震』を他人事と考えずに、明日発生するかもわからない『東海地震』の備えとして以下の緊急提言をいたします。
災害時におけるICT活用についての緊急提言
以下、提言理由を述べる。
1.森町公認のTwitter,Facebookアカウントでの情報発信
今回の地震直後には、被災された個人、地域の情報がネットに載ることがなかった。
現地からのTV報道でも「情報がなくわからない」という被災者のインタビューもあった。
時間とともに少しずつ情報が流れ始めたが、中には『動物園からライオンが逃げて町中を歩いている』というようなデマ情報もあった。
正確な情報を被災した地域や個人に伝えるには、『市町で公認された場所からの情報』を発信することが大切で、最短時間で伝わり同時に安心感も添えることができる。
2.森町各地域から防災情報発信協力員による地域情報の発信
今回の地震直後には、なかなか現地からの生の情報がネットには上がってこなかった。
被災した家族の安否、救援活動を始めるにも、現地の状況がわからないままの時間が過ぎた。
こういう状況にならないために、森町各地域に防災情報発信協力員を配置して、地震、台風、停電、その他被害状況をネットに乗せる体制を早急に確立する必要性がある。
3.Wi-Fiポイントの増設
今回の地震において、時間の経過とともに基地局の電源ロストというエリアが出ている。
しかし、携帯不通のエリアが拡大しても、コンビニ、レストラン等でのWi-Fiの無料開放などでカバーしている様子がうかがえる。
東日本の震災時に比べれば、津波被害などがない分、影響範囲は少ないが、森町においても避難所、公共施設、事業所等での早急なWi-Fiスポットの増設、拡張が必要だ。
4.情報発信、受信のための スマホ・タブレット等の使い方講習の実施
今回の地震直後には、なかなか現地からの生の情報がネットには上がってこなかった。
その理由の一つに、『スマホ・タブレットの使い方がわからない』という理由も挙げられる。
防災ネット協議会が月に一度開催している『スマホ・タブレットよろず相談塾』においても、使い方がわからない方がほとんどである。
これを解消するには、『スマホ・タブレットの使い方教室』を開いて、多くの人に使い方をなれてもらうことしかない。
また、情報を発信するにしても『日にち、時間、場所、現地状況』が揃ってなくては、有効な情報としては扱うことができなくなる。
そのためにも、『スマホ・タブレットの使い方教室』を本腰を入れて進めるべきだと思われる。
資料集
自治体公認アカウントによる情報発信例
<阿蘇市役所・Facebook>
市役所の情報ということ、日にちと時間が入っており安心感が持てる自治体公認アカウントによる情報発信例
<熊本市・Facebook>
非公式なページを見た方からの問い合わせが多くて、こういう情報を出すようになったと思われる。
自治体首長による情報発信
<藤木正幸 御舟町長・Facebook>
町長からの発信であったが、この後詳細を問うコメントがあった。
ネット上に流れたデマ情報
<twitter>
2.森町各地域から防災情報発信協力員による地域情報の発信
<Twitter によるお天気情報の発信例>
森町飯田地区からの豪雨予報の情報発信と西組からの朝のお天気情報
森町睦実地区からの毎日のお天気情報
毎日の何気ない情報が、台風の時には台風情報になり、停電の時には停電情報、地震の時には地震情報となる。
各町内から上がってきた情報を一箇所に集めてみる
<森町防災ネット協議会ホームページ>
一箇所に集約することで飯田地区の情報が一目で解るようになる。
森町全域から集まった場合は、森町全域のお天気が網羅されることになる。
(地震、台風、停電、その他の情報が把握されることになる)
3.Wi-Fi ポイントの増設
通信障害:益城町と甲佐町でドコモがつながりにくくNTT ドコモでは益城町と甲佐町の一部エリアで通信障害が発生した。15 日6 時20 分頃から、音声通話・データ通信がつながりにくいあるいは利用できなくなっている。詳細は復旧エリアマップ
で確認できる。
災害用伝言版、無料Wi-Fi の活用を九州の公衆無線LAN(Wi-Fi)スポットでは、契約・登録なしでネット通信ができるSSID「00000JAPAN」を無料開放している。
これにより、常時は携帯各社と契約をしていないスマホやタブレットで情報を発信、入手することが可能になった。
このようにWi-Fi 網の整備は、災害時には非常に役に立つことが解る。
4.情報発信、受信のためのスマホ・タブレット等の使い方講習の実施
森町防災ネット協議会では、月に一度『スマホ・タブレットよろず相談塾』を開催してきた。
受講生は一般の町民の皆さんである。
受講生のほとんどが、電話とメールはできるが、その他の使い方はほとんど知らない方ばかりである。
森町防災ネット協議会メンバーが、一緒になって使い方を指導にあたっている。